2024.03.27
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葉酸は細胞増殖に必要なDNA合成において重要な働きをする栄養素です。数多くの研究から、妊娠初期は胎児の細胞増殖が盛んであり、神経管の形成期であるため、この時期に葉酸摂取が不足すると胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが高まることがわかっています。
この背景から、日本でも2000年に厚生労働省から、妊娠の可能性がある女性が通常の食事からの葉酸摂取に加えて、サプリメント等の栄養補助食品から1日400μgの葉酸を摂取することによって胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを低減できる可能性についての通知が出されました。
また、「日本人の食事摂取基準」には【妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性及び妊娠初期の妊婦は、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスク低減のために、通常の食品以外の食品に含まれる葉酸(狭義の葉酸)を400µg/日摂取することが望まれる】という文言が葉酸の項目に付記されています。
厚⽣労働省の⾷事摂取基準に記される、日本人女性の葉酸摂取推奨量は、 1日あたり240μg、妊娠中期・後期は480μg、妊活中・妊娠初期は、640μg(食事から摂れる240μg加え、サプリメント等から400μg)となっています。
葉酸は妊娠に関わらず、ビタミンB12とともに、毎日240μgの摂取が必要だといわれています。さらに、胎児の脳や脊髄の発達に関わる「神経管」を形成する妊娠初期(妊娠3週目~7週目あたり)には、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスク低減のために通常の約2.6倍もの葉酸摂取が推奨されています。
葉酸は「造血のビタミン」とも呼ばれ、ビタミンB12とともに赤血球の合成を助けます。葉酸が不足すると、妊娠中の葉酸欠乏性貧血の原因となるため、妊娠中は特に十分な摂取が必要な栄養素です。